第8回 (2005年3月19日-21日)
頚椎と頚胸椎部の徒手的理学療法評価と治療
「頚から肩にかけて・・。」私たちセラピストが日々の臨床でよく耳にする言葉ではないでしょうか?しかし、頚部と頚胸椎移行部の解剖学、生理学、運動学を私達はどれ位理解しているでしょう?
徒手的理学療法−その関節と軟部組織の評価と治療においては、組織の解剖学と生理学の知識が必須です。広範囲に渡る解剖学や生理学の知識は、理学療法士による一般的・特異的な機能診断を行う際に不可欠で、臨床でよく見かける痛みのパターンには、機能診断の答えがかくれています。
このコースでは、頚部から頚胸椎部移行部の解剖学的・生理学的な根拠に基づいた評価と治療技術を紹介します。「論理」と「臨床」の架け橋となるコースで、参加したセラピストの方々がコースで学んだ技術をすぐに臨床で活用できることを目標として行われました。 論理的な徒手的理学療法の基礎を学び、どのように日々の臨床での治療に応用するかということを学びました。また、日常生活活動が身体に及ぼす結果に起こってくる軟部組織の障害、自動運動―ホームプログラムーを活用した頚部・胸部の治療も学びました。
講師紹介:
Ragnar van Scheers PT, OMT
Ragnar van Scheers 氏は1984年にミネソタ州のSt. Scholastica大学理学療法学科を卒業しました。卒業後は、ミネソタ州の病院で理学療法士として臨床を行っていましたが、1988年、ノルウェーのOlaf Evjenth氏のもとでマニュアルセラピーを学び、1991年にOMTを授与しました。3年間の臨床マニュアルセラピーのプログラムでは、肘関節外側上果炎のレーザー治療効果について研究を行い、その結果を1991年にロンドンで行われた世界学会で発表しています。ノルウェー滞在中には、Medical Exercise Therapy (MET)という北欧で広く行われている運動療法も学びました。他動的な治療と適切な負荷量を徐々に与え、理学療法を展開する方法による治療効果は、マニュアルセラピーを深く学ぶと共に明らかになっていきました。1995年、Scheers 氏は国際的なインストラクターとして、各国でマニュアルセラピーと運動療法を指導しています。最初のマニュアルセラピーコースはミネソタ州で行われましたが、その後、世界各国の病院、開業PTのグループ、整形外科系の勉強会やノルウェーと米国の理学療法士協会などで講師として活躍しています。
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