第10回ワークショップ (2006年3月17日-19日)

第1部 マニュアルセラピー 経験者・上級者コース
頚部・頚椎移行部―臨床での実践的な徒手的理学療法技術 総復習

このワークショップは、より臨床的・実践的な徒手的理学療法の技術修得と向上を目的とし、昨年3月に行われたワークショップの内容を基礎として、頚部・頚胸椎移行部の解剖学・生理学・運動学などの知識の復習も兼ねたコースです。

このコースでは、新たにロッキングメカニズムを使った論理的基礎に基づいたテクニックの修得と、それをどのように臨床で応用するかなど、さらに一歩進んだ臨床的テクニックを学びます。

今までに徒手的療法の基礎を学び、臨床で実践なさっている方のさらなる技術向上のためのワークショップです。参加者の皆様ひとりひとりの技術を確認し、ご質問にお答えしながら、実習の時間を中心に進めます。

コースの目的:
集中的なセミナーにより、論理的・実践的な理解として以下の知識と技術の修得を目的としています。

  • 上部・下部頚椎のバイオメカ二クス
  • 実践的な上部頚椎の分節的な可動性の評価―触診や固定におけるセラピストの手の位置の確認、正常と異常の見分け方
  • 上位頚椎部の軟部組織に対するテクニックとモビライゼーションテクニック
  • 実践的な下部頚椎・頚胸椎部移行部の分節的な可動性評価―触診固定のセラピストの手の位置の確認。正常・異常の見分け方
  • 下部頚椎、胸椎移行部の軟部組織に対するテクニックとモビライゼーション
  • 脊柱ロッキングテクニックの理論と実践―適応となるHypomobilityの治療とHypermobilityの保護
  • 分節ロッキングテクニック(上位ロッキング、下位ロッキング、または双方)を利用した特異的な分節運動性を拡大する手技

第2部 Dosed Exercise Therapy
科学的根拠に基づく臨床的な運動療法における運動処方

運動療法の効果は、それぞれの教育者や学校などの考え方によって様々に教えられているという現状があります。運動療法関係の研究は、どの運動プロトコールが使われたかということに注目され、「運動がどのように行われたか」ということに焦点がおかれないことも少なくないため、その効果を結論付けることが難しい場合も多くあります。運動療法の究極のゴールは、損傷をおこした軟部組織が、身体的なストレスに対する耐性を回復して、損傷前の機能に戻るというところにあります。その成功のためには、組織の機能的な質を正常な軟部組織の状態へと導くために、そのリハビリテーション過程の因子を学ぶことが大変重要です。

このコースでは、正常な軟部組織の保つための様々な因子(血流・柔軟性・協調性・耐久性・強度・パワーなど)と実際の臨床において、運動の強度・回数・角度・スピード・セット数・インターバルなど何が正常な機能へと導くために必要かということを学びます。身体的なストレスにより損傷を受けた軟部組織の耐性は、「軽い負荷から重い負荷へ」という連続したきめ細かい運動処方の進行によって再獲得されます。

参加者の方々には、このコースを受講した後も復習がしやすく、臨床でも応用ができるように、新しいテキスト、CD, DVDなどをお手ごろなお値段でご提供致します。

コースの目的:

  • なぜ運動は理学療法の中で「運動療法」として重要視されているのか?
  • 日常生活に必要なための「機能的な質」について
  • 運動療法が必要な機能的障害について
  • 測定可能な運動処方の因子(回数・抵抗・速さ・セット数・インターバルなど)について
  • 組織への過負荷とたんぱく質生成の関係について
  • 変性を起こしている結合組織に対する最適な刺激について
  • 長さ・張力曲線の軟部組織への応用について
  • レセプター機能と結合組織のバイオメカ二クスについて
  • マニュアルセラピーの適応について
  • 特異的で機能的な質的因子に対する正しい治療処方のために
  • モビライゼーションのための運動療法に対する注意点
  • 安定性のための運動療法に対する注意点
  • 上肢の運動療法のすすめ方
  • 脊柱の運動療法のすすめ方
  • 下肢の運動療法のすすめ方

講師紹介:
Ragnar van Scheers PT, OMT

Ragnar van Scheers 氏は1984年にミネソタ州のSt. Scholastica大学理学療法学科を卒業しました。卒業後は、ミネソタ州の病院で理学療法士として臨床を行っていましたが、1988年、ノルウェーのOlaf Evjenth氏のもとでマニュアルセラピーを学び、1991年にOMTを授与しました。3年間の臨床マニュアルセラピーのプログラムでは、肘関節外側上果炎のレーザー治療効果について研究を行い、その結果を1991年にロンドンで行われた世界学会で発表しています。ノルウェー滞在中には、Medical Exercise Therapy (MET)という北欧で広く行われている運動療法も学びました。他動的な治療と適切な負荷量を徐々に与え、理学療法を展開する方法による治療効果は、マニュアルセラピーを深く学ぶと共に明らかになっていきました。1995年、Scheers 氏は国際的なインストラクターとして、各国でマニュアルセラピーと運動療法を指導しています。最初のマニュアルセラピーコースはミネソタ州で行われましたが、その後、世界各国の病院、開業PTのグループ、整形外科系の勉強会やノルウェーと米国の理学療法士協会などで講師として活躍しています。

通訳・ワークショップ企画担当:
小倉秀子 DPT

1988年に東京都府中リハビリテーション学院を卒業。1994年まで横浜市立大学付属病院に勤務。1995年渡米。1996年、サンフランシスコ州立大学に編入、運動学を専攻し、1998年学士号。卒業後、米国カリフォルニア州理学療法士免許に合格し、外国人理学療法士に義務付けられているクリニカルインターンシップをスタンフォード大学メディカルセンターとスタンフォード大学UCSF理学療法外来クリニックにて修了。Ola Grimsby Institute(OGI)にて、Doctor of Physical Therapy Programを受講し、2005年にDPT。現在、サンフランシスコ在住。Kaiser Permanente South San FranciscoにてSenior Physical Therapistとして勤務。




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